お名前.comでVPS契約し,FX自動売買ツールを動作させるまでの手順解説

EA(エキスパートアドバイザ)を使用するタイプのFX自動売買システムを利用する場合,FXトレード用のソフトであるMT4にEAを入れて使用する必要があります。

24時間稼働させっぱなしにする必要がありますので,自宅にある普段使いのPCと兼用にすると,

  • マンションの夜間の回線混雑等によるエントリーの遅延で本来利益が出るはずのものが出なくなる
  • 急な停電や誤ってMT4を閉じてしまうことによりポジションがおかしくなり資金が溶ける
  • 電気代がかかる
  • PCの寿命が短くなる

等,長期的に運用していくとなるとかなりデメリットが多いです

そのため,多くのFX自動売買システムを運用する方は,VPS(Virtual Private Server)と呼ばれる仮想専用サーバーをレンタル契約し,そのサーバー上にMT4とEAをインストールして使用しています

感覚的には,「ネット上に自分専用のPCを,お金を払って借りる」というイメージが近いですね。

この記事では,EAを動作させるのにあたっておすすめのVPSの紹介と,VPS上でMT4をインストールし,EAを設置するまでの基本手順を説明します。

おすすめのVPSはお名前.com デスクトップクラウド

FX自動売買専用にVPSのサービスを行っている会社はいくつかありますが,難しいことを考えたくない方は,「お名前.com」か「ABLENET」の2択で考えましょう。

その理由は「性能が高くコストが格安」だから。

この2社は「初期投資を抑えたい方や,初心者の方には特におすすめしたい会社」になります。

以前はALBENETの方がコストパフォーマンスが高かったですが,2021年8月現在はお名前.comの方がコストも性能も高い状態になっています。

頻繁にキャンペーンも行い,熾烈な争いをしている両社ですので,検討の際は是非両方のサイトを覗いてみて安い方と契約してみてください。

ここではお名前.comのデスクトップクラウドの説明をしていきます。

お名前.comデスクトップクラウドの契約方法

お名前.com デスクトップクラウドの申し込みページにアクセスします。

注意事項

お名前.comは他にVPS(KVM)というVPSを提供していますが,FX専用ではありませんので必ず「お名前.com デスクトップクラウド」に申し込みしてください。

プランを選択する

プランを選択します。

MT4を5個くらい動かす場合でも1.5GBあれば十分です。足りなくなったらプランをアップデートできるので,ひとまず最安値のプランを選択しましょう。

プランとお支払期間を選択する

先ほど選択したプランが選択されていると思いますので,

プランとお支払期間を選択します。

申し込んだタイミングにより長期間の一括払いの方が安い場合がありますので,好きなものを選択してください。

お名前.comに登録(もしくはログイン)

選択内容が合っていることを確認したら,お名前.comにログインします。

初めてご利用の方はメールアドレスとパスワードを入力して次へを押します。

既にIDをお持ちの方はIDとパスワードを入力してログインしてください。

ここでは初めて利用する場合を想定して進めます。

名前,住所等必要事項を記入して「次へ進む」を押します。

支払い方法の画面に切り替わりますので,クレジットカードの番号を入力し,「申込む」を押します。

クレジットカード以外の場合は,下の「+その他のお支払方法はこちら」を選択して必要事項を入力して下さい。

申し込みが終わると以下の画面に切り替わります。

電話認証の実施

申し込み時に記入したメールアドレスに,「お名前.comデスクトップクラウド お申込み確認」というメールが届きます。

その中に,電話認証の方法が書かれていますのでこの手順に従い認証をしてください。

申し込み後はお名前.comがサーバーを割り当ててくれるまで数時間待ちます。

申し込んだVPSの確認をする

数時間後,サービス設定完了メールが届きますので,届いたらお名前.com Naviにログインします。

ご利用状況の所に,デスクトップクラウドと書かれた部分がありますのでそこをクリックします。

私はすでに1件申し込みをしている状態ですので2件表示されていますが,申し込んですぐの状態ですと,ステータスが「ご入金確認済み」となっていてコントロールパネルへのログインが出来ません。

お名前.com側での設定が完了すると,コントロールパネルの所にログインボタンが現れますので,コントロールパネルにログインします。

コントロールパネルにログインしてリモートデスクトップを使えるようにする

コントロールパネルにログインすると以下のような画面が表示されます。

複数契約している場合はこのように表示されますが,1つしか契約していない場合は1つしか表示されないので,この「コンピューターを選択」をクリック。

選択すると「リモートデスクトップへの接続方法ご案内」と書かれたポップアップが出てきます。

下までスクロールして閉じるを押してください。

左側に「ユーザー名/パスワード変更」と書かれたタブがあるのでクリック。

ユーザー名とパスワードを覚えやすいものに変更しましょう。

次に,左側の「リモートデスクトップ」と書かれたタブをクリックします。

リモートデスクトップにアクセスすると,接続に必要な色々な情報が載っていますが,以下赤枠の「RDPファイルのダウンロード」を押します。

するとRDPファイルの保存先を聞かれますので,デスクトップ等分かりやすいところに保存します。

リモートデスクトップでVPSにログインする

先ほど保存したRDPファイルをダブルクリックします。

すると以下のような画面に変わりますので,ここで先ほど変更したパスワードを入力します。

入力したらOKを押してください。

初期設定等が自動で行われますのでしばらく待ちます。

全てが完了するとデスクトップ画面が開きます。

FX自動売買ツールをインストールする

次にFX自動売買ツールをインストールしていきます。

ここではビースト+を使用する想定で進めていきますが,どのFX自動売買ツールも基本的なやり方は同じです。

配布元の指示とこのページで指示が異なる場合は配布元の資料を優先してください。

配布されたEAをデスクトップに保存する

注:ここから先はリモートデスクトップで接続したVPSで行います。

ビースト+を申し込んだメールを開きます。

「BEAST+」がメールに直接添付,またはダウンロードリンクで送られてきていると思いますので指示に従いダウンロードします。

ダウンロードリンクを開くと以下のようにGoogleドライブに飛びますので,右上の赤枠をクリックするとダウンロードされます。

保存先はデスクトップにしておくと後が楽です。

保存場所をデスクトップにしそびれた場合は,左下から「フォルダを開く」を選びます。

保存先のフォルダが開きますのでデスクトップへ移します。

このままでは使用できないので圧縮ファイルの解凍をします。

移動した圧縮ファイルを右クリック→すべて展開を選択。

今圧縮ファイルが置かれている位置に解凍されます。

今はデスクトップにあるのでそのまま「展開」をクリック。

無事ファイルが展開されました。

MT4をダウンロードする

FX自動売買をするためにはMT4と呼ばれる取引ソフトが必要です。

MT4は各証券会社ごとに異なりますので,各証券会社が配布しているダウンロードリンクからダウンロードしたものをインストールしなければなりません。

「BEAST+EA設置方法」というファイルがメールに添付されているはずですのでそれを開く。

開くとダウンロード先のリンクが掲載されていますので,そこからダウンロード先に飛びます。

ここをクリックするといきなりダウンロードが始まります。左下にダウンロードファイルが確認できるはずです。

EAと同じ手順でデスクトップに移します。

メモ

次回FX Beyondを使用するEAを使うときに,ダウンロードの手間を省くことが出来ますのでこのファイルはデスクトップに置きっぱなしにすると良いです。

MT4のインストール

デスクトップに移したMT4のインストールファイルをダブルクリックするとインストールが始まります。

この画面になりましたら,「設定」を開きます。

設定のプログラムグループの末尾にEAを識別する名前を入れておくと良いです。

ここでは,「- BEAST+」と追加しました。

このようにした理由

MT4はEA毎にインストールしてそれぞれ起動する必要がありますが,変更しないと同じフォルダに上書きされてしまうので,このようにすることで複数起動できるようにします。

「次へ」を押すとインストールが始まります。

この画面が消えた後もしばらくかかりますので気長に待ちます。

インストールが完了すると,以下のようにMT4が開きます。

MT4へログインする

証券会社を開設した際に証券会社から口座番号(MT4ID),パスワード,サーバーが書かれたメールを受領していると思いますのでそれを探します。

FX Beyondの場合は以下のようなメールが来ています。

注意事項

EA申し込み時の紐づけに失敗し,複数口座開設をしてしまった場合,そのメールが認証が通った口座番号かどうかを必ず確認してください。
認証が通った口座番号かどうかはEA配布時のメールに記載されています。

メールに記載されているサーバーを選択し,次へを押します。でも口座の申請となっていますが無視してかまいません。

既存のアカウントを選択し,ログイン,パスワードにメールに記載されていた情報をそのまま入れます。

完了を押すと先ほどの画面が消えます。

ログインが成功したかを確認する

ログイン状態の確認は,画面の右下の通信状態で確認します。

通信状態になっていればログイン成功。

回線不通になっていたらログイン失敗です。

注意事項

土日祝日等,証券会社が休みの場合は回線不通になります。
必ず平日に確認してください。

EAを指定フォルダに入れる

EAによってはインストーラーで配布される場合もあります。

その場合は指示に従い,MT4を終了させてから作業すればこれからお話しする作業と同一の作業を自動で行ってくれます。

ここでは,手動で行うやり方について説明します。

Expertフォルダに「BEAST+.ex4」をコピー

MT4左上の「ファイル」をクリック→「データフォルダを開く」をクリック。

MQL4を開く。

「Experts」フォルダを開く。

最初にデスクトップに解凍したBEAST+フォルダの中身のうち,「BEAST+.ex4」をコピー&ペーストしてExpertsの中に入れる。

一旦フォルダをすべて閉じます。

Indicatorsフォルダに「ctmbp.ex4」を入れる

再度,MT4左上の「ファイル」をクリック→「データフォルダを開く」をクリック。

MQL4を開く。

Indicatorsフォルダを開く。

最初にデスクトップに解凍したBEAST+フォルダの中身のうち,「ctmbp.ex4」をコピー&ペーストしてExpertsの中に入れる。

終わったら,一旦開いているフォルダ,MT4をすべて閉じます。

EAが適切に入れられたか確認

MT4を起動します。

左側のナビゲータの部分のエキスパートアドバイザに「BEAST+」と表示されていれば成功です。

EAを稼働させる

ここまで来たらあと一息です。頑張りましょう。

事前準備

一旦デフォルトで開いているチャートを各ウィンドウの×ボタンを押してすべて閉じます。

また,左側の気配値表示の上で右クリック後,「すべて非表示」を選択して一旦すべて消します。

「表示」→「通貨ペアリスト」を選択。

「CHFJPY.d」と「USDJPY.d」をダブルクリックして「表示をオン」にする。(アイコンの左側がグレーから黄色に変わります。)

終わったら「閉じる」を押します。

注意事項

表示させる通貨ペアはEAによって違うので注意!

気配値表示に先ほど表示をオンにした通貨が表示されますので,表示させたい通貨ペアの上で右クリック→チャート表示を押します。

USDJPY.dの上で右クリック→チャート表示

CHFJPY.dの上で右クリック→チャート表示

してそれぞれ操作しないと表示されないので注意。

これでチャートが表示されました。

このままだとチャートが見にくいので並び替えをします。

ウィンドウ→垂直分割(好きなものを選んでください。)

すっきりと表示されるようになりました。

各チャートの時間足設定

まず,USDJPY.dのチャートを選択し,時間足5分足(M5)をクリック。

各チャートの左上がM5となっていることを必ず確認してください。

次に,EAを動かすための設定をします。

EAを動作させるために自動売買とDLLの使用を許可する

ツール→オプションをクリック。

「エキスパートアドバイザ」タブをクリック。

「自動売買を許可する」にチェック。

「DLLの使用を許可する(信頼できるアプリケーションのみで有効)」にチェック。

OKを押します。

一旦MT4を再起動してください。

各チャートにEAを設定する

左側のナビゲーターのエキスパートアドバイザ内にあるBEAST+を設定するチャートにドラッグする。

全般タブをクリックし,「自動売買を許可する」「DLLの使用を許可する」にチェックマークが入っていることを確認。

次に,パラメーターの入力タブをクリック。

初期ロット数は以下を参考に設定。

※ボーナスは含めずに計算してください。

ビースト+ロット設定(参考)

Magic Numberは管理番号のようなものなので,各チャートで同一のものにならないように変えてください。

値は好きな値で大丈夫です。

設定後OKを押します。

きちんと動作しているか確認

きちんと動作していればチャートが以下のようになります。

左側にはステータス表示,右側に笑っている顔が出ていればきちんと動作しています。

何か失敗している場合は以下のように右上の顔がへの字になります。

こうなっている場合,どこか間違っているので,最初から確認をしてください。

多いのは時間足をM5にせずH1のままにしているケースです。

自動売買のON/OFF

自動売買のON/OFFの切り替えは以下の画像の「自動売買」ボタンから行います。

もし,入金がまだの方は,入金が完了するまで一旦自動売買をOFFにしておき,入金後に再度設定を確認後にONにしてください。

注意点

・EAを設置したチャートで時間足を変更すると先ほどの設定がすべて飛びますので,その場合は最初からやり直してください。

・手動にて決済をする場合は,一旦EAをOFFにした後で実施してください。

リモートデスクトップを終了する

全ての設定が完了したらリモートデスクトップを終了します。

誤ってMT4を閉じてしまう人がいますが,MT4を閉じると自動売買がされないのでリモートデスクトップのみ終了してください。

リモートデスクトップが全画面表示の場合,マウスカーソルを一番上まで持っていくと以下のような接続バーが出てきます。

MT4が起動した状態で,この接続バーの右側の「×」ボタンを押せばリモートデスクトップを終了できます。

最後に

ここまでお疲れさまでした。

後は毎週土日にWindowsアップデートがないか確認して,必要に応じて再起動します。

再起動後は自動売買がONになっているかを忘れずに確認するようにしてください。

おすすめの記事